マンノン語り

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マイマイ新子の応援のしにくさ

2010.02.21 Sunday 16:06
 〜 マイマイ新子の応援のしにくさ 〜
応援すると書いておいて、いきなり「しにくさ」というのはどういうことだ、という
のももっともなのですが。この映画の特徴でもあると思うのでまずはこれから。

この映画。人に勧めるさいにどうやって勧めるかが問題になってきます。この映画を
見た人の感想がそれを物語っています。

いわく 「なんだかわからないけどすごくいい、泣ける」
いわく 「説明がすごい難しい映画」
いわく 「とにかく見て欲しい」

あらすじや、かいつまんだストーリーなども、うーんどう言えばいいのかわからない。
となってしまう困った映画でもあります。

なぜ説明しにくいのか?それはこの映画が様々な要素が複雑に絡みながら進行
するためだと思います。ちょっとした場面だけを説明しても、なんか違う、となって
しまうのは、様々な要素が絡み合って全体となっている。つまりこの映画の面白い
所を切り取って説明するのが困難だということだと思います。

それでも大雑把な説明をするとすると。

昭和30年代の山口の片田舎、新子は空想好きな女の子でおじいさんから様々な大昔
のことを聞く。都会から引っ越してきた貴伊子は新子と友達となり、新子には見える
様々な空想をうらやましく思う。二人は平安時代の家の跡と思われる所を見つけ
そこに暮らした人達を想像し楽しんでいた。

学校にも慣れてきた貴伊子は新子達とダム作りをして遊ぶ。そこに流れ着いた金魚
を皆で飼うことになり世話することになるが……

前半のあらすじはこんな感じでしょうか。この映画だけではありませんが数行で
説明するというのは結構困難です。なによりアニメーションならではの手法もとってる
のでそこをかいつまんで、というのも難しい。この説明は平安時代の新子達と同年代の姫、
なぎ子のことはすっぽり抜けています。

小説の要素と平行して平安時代の姫の生活の要素も同時に進行する。なのでそれほど
長い映画でもないのに情報量が多い。文章や普通の映画の場合ブロックごとにきっちり
話が進んでいきますが、この映画の場合2つのブロック(新子の話と平安の話)がほぼ
同時に進んでいきます。アニメーションという視覚の情報量だとすんなり見れる
のですが、説明するとなると文章や語りの場合、2つのブロックを同時に説明するのが
困難になります。違和感なく絡み合うというのはアニメーションならではの表現であり、
文章化するとなると難しくなる、ということだと思います。

さてどうやって人に勧めればいいか。私としては見た人が自分的に気に入った所を
説明するのが一番いいのかなとも思います。そこに別の要素もちょこっと入れとく。
説明される人が見えているなら好きそうな所を勧めておけばいいのかなと。

「貴伊子ちゃんがめちゃくちゃ可愛い。小川で足ぱちゃぱちゃやっててたまらんよ!
平安時代の恋愛はめんどくさいけど、なぎ子ちゃんならいけるね。どうよ?」

などと偏った女の子好きで勧めたり。

「古きよき昭和っていうの?ものすごく純朴でゆったりとした時間がいいんだよね。
入ったことないけど昔の映画館とか入る場面とかドキドキしちゃった!」

などと懐古趣味全開で勧めたり。

「丁寧に描写された山口県の30年代の風景とそこに生活する人々。道々に現れる牛車
やあでやかな衣装の平安の人々。新子の空想力を巧みなアニメーションで表現した
日本アニメーションの革命だね。君もアニメーション好きを自称するなら見るべきだよ。」

などとしったか口調で諭したり。

女の子好きで語ったら最後に「麦畑とか描写が半端ない」とか。懐古趣味でも「新子の妹
がウィスキーボンボンですごいことになる」とか。しったか君でも「田舎暮らしに憧れる」
とか。人が見たくなりそうな単語を付け足しておくと興味を誘いやすくなる、かもしれま
せん。

ちなみに私の場合は全部を駆使して相手に勧めまくります。相手が止めてと泣いて懇願
しても勧めまくる。あ、これじゃ逆効果か。勧める際はほどほどに(語り続ける人)

説明するのは難しいが、見ると素晴らしい作品と実感できる作品。それがマイマイ新子
だと思います。文章や映像よりも、体験することで実感できる体験型の映画とも言える
かもしれません。

全般を通しての昭和30年代の風景と平安時代の風景の美しさをアニメーションで
見事に表現し。前半部分は古き良き時代の友達との遊びを描き、後半からは怒涛の展開
で文学作品を根底にした「死」というものを考えさせる見事な文学性。これらは見て
初めて納得できるものかと思います。

見なければわからないこの作品。DVD化もされないようではあまりに不憫です。
なんとか盛り上がりこの作品が埋もれてしまわぬようにと思います。

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